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高血圧

高血圧ってなんだろう?なぜ注意が必要なの?

血圧とは、心臓が血液を体中に送り出すときに、血管の壁にかかる力のことです。高血圧とは、この力が常に強い状態が続くことを言います。具体的には、病院で測った上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、または下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の場合、あるいは家庭で測った上の血圧が135mmHg以上、または下の血圧が85mmHg以上の場合に高血圧と診断されます 。

高血圧の怖いところは、初めのうちはほとんど症状がないことです。そのため、「サイレントキラー」と呼ばれることもあります 。症状がないからと安心していると、知らず知らずのうちに悪化し、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気を引き起こすことがあるのです 。実際、高血圧と診断されるべき人の半分近くは、自分が高血圧であることに気づいていないというデータもあります 。

高血圧を放っておくとどうなるの?こんな健康トラブルが!

高血圧を治療せずに放置すると、体中の様々な臓器に負担がかかり続け、深刻な健康問題を引き起こす可能性があります 。

・心臓や血管への影響:高血圧は、心臓や血管に大きな負担をかけ、動脈硬化(血管が硬く、もろくなること)を進ませます 。これにより、心筋梗塞(心臓の血管が詰まり、心臓の筋肉が死んでしまう病気)や狭心症(心臓の血流が悪くなり、胸の痛みなどが起こる病気)、心不全(心臓のポンプ機能が弱まる病気)といった心臓や血管の病気のリスクが非常に高まります 。実は、血圧が正常とされる範囲(115/75mmHg)より少し高いだけでも、これらの病気のリスクは上がり始めることが分かっています 。1)

・脳への影響(脳卒中から認知機能の低下まで):高血圧は、脳の血管にも大きなダメージを与え、脳卒中(脳の血管が詰まる脳梗塞や、脳の血管が破れる脳出血)の最大の原因となります 。脳梗塞の半数以上、脳出血の7割以上が高血圧と関連していると言われています 。さらに、高血圧は脳卒中だけでなく、認知機能の低下や認知症(特に血管性認知症)の主な原因の一つでもあります 。高血圧は、脳の細い血管を傷つけ、脳への血流を悪くすることで、記憶力や考える力といった認知機能に徐々に影響を与えるのです 。特に、中年期の高血圧が、将来アルツハイマー病になるリスクを高め、その進行を早める可能性も指摘されています 。2)

・腎臓への影響:腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分を体の外に出す、命を維持するために欠かせない役割を担っています。高血圧は、腎臓の中の細い血管に常に圧力をかけ、傷つけてしまいます。その結果、腎臓の機能がだんだん悪くなる慢性腎臓病(CKD)の主な原因の一つとなるのです 。慢性腎臓病が進むと、最終的には透析治療や腎移植が必要になることもあります 。腎臓の病気も、初めは症状が出にくく、静かに進行することが多いのが特徴です 。

高血圧治療のいいところ

高血圧は放っておくと怖い病気ですが、幸いなことに、適切な治療によって進行を抑え、コントロールすることができます 。高血圧の治療は、主に生活習慣の改善(バランスの取れた食事、適度な運動、塩分を控える、禁煙、お酒を控えるなど)と、必要に応じてお薬を使う方法があります 。

高血圧治療の一番のメリットは、心筋梗塞、脳卒中、腎臓病といった、命を脅かしたり生活の質を大きく下げたりする深刻な合併症になるリスクを大幅に減らせることです 。

注目すべきは、血圧をほんの少し下げるだけでも、合併症のリスクを大きく減らせる可能性があるという点です。大規模臨床試験のメタ解析(かなり信頼性が高い!)の結果では、上の血圧をわずか5mmHg下げるだけで、心血管病全体を減らすことができると報告されています 。(グラフ参照)3)

血圧をより多く下げるほど、脳と心臓の病気リスクは減少します

Lancet. 2021; 397: 1625-1636.( Figure 2 を基に作成 )

家庭での血圧測定が大切

ご家庭で血圧を測ることは、ご自身の健康状態をより正確に知るためにとても大切です。

・より正確な血圧の状態がわかる:家庭で血圧を測ると、普段の生活の中でリラックスした状態で測れるため、病院での緊張(白衣効果)などによる影響を受けにくいというメリットがあります 。そのため、家庭血圧は、その人の普段の、より本当の血圧値を反映しやすいと考えられています 。家庭血圧は、病院で一度だけ測る血圧よりも、将来の心筋梗塞や脳卒中などの病気が起こるリスクや、それによって亡くなるリスクをより正確に予測できるという報告もあります 。4)

・特に大切!朝の血圧測定:家庭で血圧を測る習慣の中でも、特に「朝の血圧測定」は、ご自身の健康状態を把握し、高血圧を適切に管理していく上で非常に重要です 。私たちの血圧は一日の中でも変動しており、特に朝、目が覚めて活動を始める時間帯には、生理的に血圧が上がりやすくなります 。早朝の上の血圧が過度に高くなることは、心臓や血管の合併症のリスクが高まることと関連していることが分かっています 。4)

高血圧は自覚症状がなくても、静かに進行する病気です。定期的な健康診断や家庭での血圧測定を心がけ、もし高血圧を指摘されたら、放置せずに早めに医師にご相談ください。適切な対策を行うことで、健康で豊かな生活を守ることができます。

  1. Suzanne Oparil, et al. Nat Rev Dis Primers. 2018 Mar 22:4:18014. doi: 10.1038/nrdp.2018.14.
  2. Costantino Iadecola, et al. Cell Metab. 2008 June ; 7(6): 476–484.
  3. Lancet. 2021; 397: 1625-1636.
  4. George S Stergiou, et al. J Clin Hypertens. 2018;20:1116–1121.

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